皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
時は2016年4月28日、それまでAPS-C機しかなかったPENTAXから、ついに待望のフルサイズ機が発売されました。その名は…
K-1!!
念願のフルサイズ機ですよ!フルサイズ「K」ですよ!!
ということで、今回はPENTAX K-1とはどんなカメラなのか、個人的な所感を踏まえながら特徴や使い勝手などをレビューしてみました。
PENTAX K-1について
PENTAX初の35mm版フルサイズイメージセンサーを搭載した一眼レフカメラで、同ブランドのフラグシップ機となっています。
2018年4月にマイナーチェンジ版のK-1 MarkIIが発売開始。高感度撮影における画質のさらなる強化、手持ちでもリアルレゾリューションが使えるなどの強化がされました。
PENTAX K-1レビュー
良い点、イマイチな点
良い点
- フルサイズセンサーの搭載による豊かな描写
- 高感度耐性の高さ
- 5段5軸の強力なボディ内手振れ補正
- リアル・レゾリューションによる超解像撮影に対応(静止物限定)
- フレキシブルチルト液晶などの
変態様の琴線をくすぐる便利な新機能の数々 - 従来のPENTAX一眼レフカメラとの操作部の共通性
- フルサイズ機としては抜群のコンパクトさ、ホールド感
- 防塵防滴、耐寒性(-10℃)
イマイチな点
- 画素数アップによるRAWファイルサイズの増加
- 連写速度、バッファー容量の少なさ
- 交換レンズが少ない
外観
それでは外観から見ていきましょう。まずは正面側。
みんな大好き、ダンボーとK-1を並べてみます。
続いてはグリップ側。
上部のダイヤル群。これまでのPENTAXの一眼レフカメラでは2ダイヤル(絞り、シャッター速度調整)方式が一般的でしたが、K-1では3ダイヤルに増加しています。
背面ディスプレイと操作系群。
プレビューボタンとライブビューボタンの位置が、これまでのAPS-C機と異なる(ほぼ入れ替わった感じ)になっているものの、基本的な操作系は継承されています。
そして、K-1の変態さを際立たせる目玉機能である、フレキシブルチルト液晶を動かしたときの様子。
上側には90度、下側にはだいたい45度ほど傾けることができます。さらに一般的なチルト液晶にはない点として、左右側にもそれぞれ30度ほど傾けることができるようになっています。まさにフレキシブル!そしてなにより超絶変態!!
画質
3640万画素、フルサイズセンサー、ローパスレスフィルタレス…実際に撮ってみて分かるのですが、とにかく高精細で素晴らしい描写力!やはりAPS-C機とはひと味違った写りになっていることを実感できます。
センサーサイズが大きいのはカメラの画質を向上させる、最強の要素だなーと改めて思います(もちろん、それがすべてではありませんが)。
イメージセンサーが大きくなるほど、一般的に高感度撮影にも強くなりますが、K-1も例外なく強くなっているなーという印象。
APS-C機(K-5)ではISO3200~6400ぐらいが限界でしたが、K-1ではISO12800ぐらいまでは十分に常用感度として使うことができます。
参考までに以下の写真はISO25600で撮影した一枚。
Webでの利用ならば、十分に実用性はあるかなーと思います。フルサイズセンサーおそるべし!
使用感
基本操作
これまでのPENTAX一眼レフ機とほぼ変わらない統一性のある操作感。
僕はこれまでK-x→K-5と使っていて、K-1ではさらに機能が増えましたが、伝統的にカメラ操作に統一性があるため移行がスムーズでした。
Kマウントの継承といい、操作感の統一性といい、PENTAXが既存のユーザーをいかに大切にしているかが伺えます。(K-1を購入してわずか3日後にも関わらず、式場カメラマンがちゃんと務まったのも、まさにこのおかげだったと思います)
フレキシブルチルト液晶
K-1の目玉機能の一つであるフレキシブルチルト液晶。
巷で「変態液晶」などと言われていますが、ローポジションやハイポジションでの撮影が格段にしやすいのが嬉しいところです。
驚くべきはこのフレキシブルチルト液晶、実は上下方向だけでなく左右方向にも動くため、縦構図でも光軸を動かすことなくローポジション、ハイポジションでの撮影ができちゃうのは地味に便利です。(上下方向に比べて可動域は狭い)
もちろん、その変態さ機能美を生かしてSNSでネタにしても面白いでしょうw
今日はお山の上から長岡花火をながめます。
例によってディスプレイが変な方向になっているところについては気にしたら負けw#長岡まつり大花火大会 #PENTAX pic.twitter.com/HNCIothxB5— Hirokazu Shibuya おーわ (@mof_mof08) 2017年8月3日
もう、フレキシブルチルト液晶を「変態液晶」だなんて言わせない…いや、むしろPENTAXの一眼カメラとその使い手が変t(ry
ちなみにこの液晶は複雑な構造ゆえなのか、他の機種の液晶と比べると修理代が少々お高くつくようです。
もっとも、わりとしっかりとした作りではあるので落としたりしない限りは壊れることはないようですが…落としたりしない限りはねw
https://www.08-note.com/pentax-k1-display-repair-fee/
手振れ補正機能
もともと強力だった手振れ補正もK-3IIの4.5段から5段5軸にパワーアップ!
マクロ撮影時のシフトブレや、回転ブレにも対応しています。手持ちでマクロ撮影をする機会が多いので、この機能はありがたい限りです。
ボディ内手振れ補正なので、対応レンズすべてで手振れ補正の恩恵を受けることができるのも嬉しいところです。(ただし、オールドレンズなどの一部のレンズは3軸による手振れ補正のみ対応)
連写性能
フルサイズ時で最大4.4コマ/秒、バッファーはRAW撮影時で17枚と、連写性能に関してはあまり期待しないほうがよろしいかと思います。
ただし、実際のところはおおよそ13枚程度を境にバッファフルとなることが多く、実力は期待以下と言わざるを得ないかなと思います。(SDカードにSanDisk Extreme Proを使用)
なお、APS-Cクロップ時は6.5コマ/秒、バッファーは50枚となります。
もともと動体追従能力については微妙なところですし、連写を多用してガシガシいくスタイルは他のカメラでやるのが吉です。
Wi-Fi機能
K-1にはK-S2で搭載されたWi-Fi機能が内蔵されていて、撮影した写真をスマートフォンへ撮って出しすることができます。
で、これは本当に便利で、僕もよくTwitterに撮って出しした写真を投稿しています。
小高い丘から望む東京競馬場の花火!下調べしまくったおかげか、初撮りでそこそこ良い感じのが撮れたと思います。
これからしっかりと仕上げていきます。PENTAX K-1 + D FA 28-105mmにて撮影、Wi-Fiで撮って出し pic.twitter.com/38qlK5HtK0
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年7月10日
今年も長岡の夜空にフェニックスが舞いました(*´∀`)
これは本当に一度生で見て、感じてほしい…感動ものですぜ!※フェニックス席よりPENTAX K-1にて撮影→撮って出し#長岡花火 #フェニックス pic.twitter.com/4y2A7c27eQ
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年8月3日
花火大会の写真なんかは早く見たい!という方も多いと思うので、Twitterのような速報性のあるコンテンツへ撮って出しで投稿できるのはかなり有効ですねー。
しらゆき号ときらきらうえつ号の雪国トレインの共演♪ローアングル+ギリギリまで寄って撮れるのは、PENTAX K-1と超広角レンズの組み合わせならではやなー。
PENTAX K-1 + D FA 15-30mmにて撮影→撮って出し pic.twitter.com/mdCh6nJYbm
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年8月4日
超広角レンズで特急列車の車内を撮ると、奥行き感が凄すぎて吹くレベルwww
PENTAX K-1 + D FA 15-30mmにて撮影→撮って出し pic.twitter.com/rXrxOKTDH8
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年8月4日
これぞ、新潟が世界に誇る風景!!
いつ見ても素晴らしい(*´∀`)※特急しらゆき号車内より撮影#新潟 #PENTAXK1 #超広角 pic.twitter.com/y9Uf45rdNA
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年8月4日
青海川駅ええとこやったー(*´∀`)
帰ってからちゃんと現像しますが、取りあえず雰囲気だけでも♪これから上越妙高経由で埼玉に帰ります。#新潟 #青海川 #夕景 #PENTAXK1 pic.twitter.com/KJrdz11XaL
— Hirokazu Shibuya (@mof_mof08) 2016年8月4日
当然ですが通信を伴うため、カメラおよびスマートフォンのバッテリー消費が大きくなります。その点には十分に注意する必要がありますね。
なお、K-1からスマートフォンへ撮って出しする際は、Image Syncというアプリを使用する必要がありますので、あらかじめスマートフォンにインストールを済ませておきましょう。
Image Syncダウンロード:iOS版/Android版
携帯性
さすがにフルサイズ機だけあって、従来のAPS-C機に比べて重くなった&大きくなったのですが、言うほどの大きさを感じないのも良いところ。
K-1は重量だけ見るとボディのみで1010gと、従来のAPS-C機と比べて重さは大きく増しました。バッグに入れて持ち運ぶときは確かに重くなったなーという感じ。
が、ファーストインプレッションの記事でも紹介しましたように、ボディそのものは他社のフルサイズ機と比べてかなりコンパクトにまとめられているため、ホールド感は良好。さすがはPENTAXさんです。
その他
RAWファイルの容量が非常に大きい
K-1は有効画素数が3640万画素となりましたが、その最大のデメリットとして一枚当たりのファイルサイズが非常に大きくなってしまいます。
特にRAWファイルの場合、最大で60MB超に達する計算になります。(実際にはおよそ45MB前後)
さらにリアル・レゾリューションを使用して撮影すると、1枚あたり約4倍の容量になります(最大でなんと240MB超となる計算ですが、実際には150MB前後…それでもかなり大きいですが)。
K-1を購入する際は、カメラ側とパソコン側での容量対策が必要になってくる場合がありますので、その点はご注意を。
フルサイズ対応レンズが少ない
これは様々なレビュアーさんも書かれておりますが、現在のところフルサイズに対応したKマウントレンズのラインナップは純正、サードパーティー製とも非常に少ないのが実情です。
フィルム時代のオールドレンズも含めればそれなりの数はあるようですが、既に市場に出回っていないため入手困難となっているものも多いのが実情…。
時間はかかると思いますが、レンズラインナップ拡張に期待していきたいところであります。
作例
実際にPENTAX K-1を使って撮影した写真については、以下の記事で各レンズ毎に紹介しています。ぜひ参考にしていただければ幸いです。
https://www.08-note.com/pentaxk1-5fflens-samples/
まとめ
2015年のCP+でその姿が披露されて以来、1年強の歳月をかけてPENTAXファンの元にやってきた待望のフルサイズ機ことPENTAX K-1。
フレキシブルチルト液晶やWi-Fi機能といった話題の機能ばかりでなく、カメラの基本機能である描写力、画質、オートフォーカス等の性能も大幅に向上しており、非常に魅力のあるカメラだと思います。
レンズラインナップの拡張などの課題はありますが、こんなに素晴らしいカメラを誕生させたリコーの方々へ全力で感謝したいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m